海と運河がつむぐ7つの小樽の物語

04港と鉄道 みなととてつどう

日本の近代化を支えた
海と大地をつないだ軌跡。

 江戸時代の終わり、ニシン漁の拠点として賑わっていた小樽の港は、明治に入り、「商港」となります。商船の通行が許され、北前船が入港すると港はさらに発展。明治後半には、外国貿易港となり、「神戸、横浜に次ぐ商港」と評されるまでになります。小樽港は、北海道の玄関口として北海道経済を支える拠点になっていきました。

 港とともに小樽の発展を支えたのが鉄道です。小樽は北海道の鉄道発祥の地。開拓期、幌内(三笠)の山中で良質な石炭が発見されると、輸送のための「幌内鉄道」(のちに「手宮鉄道」)が着工。幾つもの難工事を乗り越え、明治13年、手宮(小樽)を起点にわずか11ヶ月で札幌まで開通、その2年後に幌内まで全通しました。北海道の良質な石炭は、鉄道により小樽港から全国各地へと送られ、日本の近代化を後押ししました。

 廃線となった現在、総合博物館本館では動態保存の蒸気機関車が走り続け、様々な鉄道発祥の歴史を今に伝えています。また、小樽港では、日本初の外洋防波堤としてつくられた「北防波堤」が、100年の時を経た今でも現役で港を守り、近年、第3号埠頭は物流の拠点から人々が集う場所へと新たに変貌しようとしています。

小樽観光で楽しむ!

国指定重要文化財である旧手宮鉄道施設は、博物館本館にその多くが保存され、特に機関車庫三号は現存する日本最古の機関車庫として見応えがあります。手宮線の線路は廃線後も残され、散策路として親しまれています。

  • 小樽市総合博物館本館、手宮線跡地
  • JR小樽駅
  • 旧日本郵船㈱小樽支店 ※国重要文化財、運河公園
  • 小樽国際インフォメーションセンター( ポートマルシェ otarue)
  • おたる潮まつり、小樽がらす市(毎年7月に開催されるイベント)